◆チャプターリスト
0:00 タイトル
0:12 (解説)
2:05 (若夏/杜若)
4:00 (若竹/若楓)
6:39 (若葉の解説)
7:52 (若葉例句/後書)
10:30 (クレジット/エンディング)
暦の上では立夏を過ぎ夏になりました
このところ大きめの地震や大きな寒暖差、豪雨など 私たちの暮らす自然環境にも思いもよらない激しい変動が起きます
俳句を詠む私たちは歳時記にある季語を 自然を改めて見直し 感謝する目を持ちつつ確かめてみましょう
今回は「若」のつく夏の季語をいくつかご紹介します
(漢字の)「若」は
甲骨文字(こうこつもじ)の象形(しょうけい)から「しなやかな女性の姿」を表すともいわれています(*1) 女性の体や髪の特徴から「しなやか」「柔らかく従う」などの意味になり 今では男女を問わず また人だけではなく 見た目や年齢が若いことにも用います
〔(*1)諸説あります〕
また中国では 漢字の「若」を日本でいう若い意味にはあまり使わないそうです
現地の句友さんが教えて下さいました
漢字の「若」 日本ならではの意味があるのですね
【原稿執筆者、明 惟久里(あき・いさか)さんの『note』】
note.com/akiisaka819/n/nf7ed1...
◆若夏や極彩色(ごくさいしき)に赤と金
沢木欣一
(さわき・きんいち)
[季語・若夏:初夏-時候]
「若夏(わかなつ)」は 時候の季語
沖縄の古語で 新暦の五月から六月 稲穂の出る頃をいうのだそうです
この時期は京都にもそこに咲く花に誘われる社寺が増えます
上賀茂神社の境外末社(けいがいまっしゃ) 洛北の大田神社は 天然記念物“大田の沢の杜若”が有名です
歳時記の「かきつばた」 漢字は季語「燕子花」で載りますが 傍題には「若」を使った「杜”若“」がありますね
◆神籬(ひもろぎ)の水賜るも杜若
(みずたまわる)
湯口昌彦
(ゆぐち・まさひこ)
[季語・燕子花:初夏-植物]
◆若竹をひかりの竹といふもよし
長谷川 櫂
[季語・若竹:仲夏-植物]
その年に生え出た竹を「若竹」“今年竹”といいます
地面からほんの少し顔を出したと思っていた筍が あっという間に皮を脱ぎ 青々とした「ひかりの竹」になるのです
◆弟子達の弓の稽古や若楓
中村吉右衛門
[季語・若楓:初夏-植物]
若葉の中でも 楓の若葉
楓は 春の季語「楓の芽」 秋の季語「紅葉」と 万葉集の歌でも詠まれ その美しい成長を 時に私たち人間と重ねてきました
常緑樹の新葉の総称としては
「常磐木(ときわぎのわかば)」という季語もあります
常緑高木を少し分類して「椎若葉(しいわかば)」「樫若葉(かしわかば)」「樟若葉(くすわかば)」なども季語です
◆樟若葉天に届いているさやぎ
高野ムツオ
[季語・樟若葉:初夏-植物]
「若」のつく季語の中でも「若葉」にはたくさんの傍題があります
初夏になり 木々はいっせいに新しい葉をつけ始めます あちらこちらの枝にみずみずしい緑色がきらりきらり
「朴若葉」「藤若葉」など樹の種類による区別のほかに 傍題には場所や時間を付けて
「山若葉」「谷若葉」「里若葉」「寺若葉」「庭若葉」
「若葉時」「夕若葉」
また天気の言葉を付けて
「若葉寒」「若葉冷」「若葉風」「若葉雨」
などもあります
例句でみてみましょう
◆若葉して手のひらほどの山の寺
夏目漱石
[季語・若葉:初夏-植物]
◆水音の透けてをりたる谷若葉
木暮陶句郎
(こぐれ・とうくろう)
[季語・若葉:初夏-植物]
◆若葉風ひとゆれで発つ小海線 ◆
土生重次
(はぶ・じゅうじ)
[季語・若葉:初夏-植物]
◆割箸に水飴白し若葉寒
有馬朗人
(ありま・あきと)
[季語・若葉:初夏-植物]
いかがでしたか
日本語の漢字「若」のつく季語で一句詠んでみませんか
そして少しでも気持ちが晴れやかになりますように
◆いちまいの若葉となりて睡りたし
岩岡中正
最後までご視聴ありがとうございました
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Special Thanks to 楊明枳(加良太知)さん
原稿:明 惟久里(あき・いさか)
ナレーター:宮内メグ
BGV:黒木健一(樟若葉)
/ @kakyaku-961
BGM:パワーディレクターBGM
おとわび(お茶)
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DOVA-SYNDROME(きらめく日々)
dova-s.jp/
編集:中原久遠
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16 июл 2024