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こんにちは、今回から前回修理したミニ油圧バックホーをベースに、機械の仕組みや役割を解説する動画を作っていきます。初歩的な内容を分かりやすく解説していきたいと思います、既に知っている内容もあると思いますが、復習と思って動画を楽しんでいただければ幸いです。
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まず、エンジンオイルは「オイル・パン」で貯蔵されます。中は車両傾斜時のオイル確保やオイルが揺れ動くのを防ぐバッフルプレートが設けられています、底部にはオイルを排出する為の「ドレーン・プラグ」が取り付けられています。ドレーン・プラグの中にはマグネットを埋め込み
オイル・パンに溜まった鉄粉を吸着するタイプもあります。そして、オイル・パンは熱くなったオイルの冷却にも役立っています。
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オイルパンに貯蔵されたエンジンオイルを吸い上げるのが「オイル・ポンプ」です。オイル・ポンプは「トロコイド式」と「ギヤ式」の二種
類に分かれます。
トロコイド式オイル・ポンプは歯数の異なるインナ・ロータとアウタ・ロータが偏心して組み付けられており「タイミング・ベルト」や「クランクシャフト」
などによりインナ・ロータが駆動され、アウタ・ロータが回されエンジンオイルを吐出します。
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ギヤ式オイルポンプはドライブ・ギヤが回る事でドリブン・ギヤを反対方向へ回転させます、オイルはギヤとボデーの間に挟まれ加圧されて吐出します。
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この時エンジンオイルは「オイルストレーナ」という「茶こし」のようなフィルターを通過し、ポンプに異物が行かないようにしています。
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どちらのポンプにも「リリーフ・バルブ」が取り付けられているのですが、これはエンジン回転数が高速になると圧送されるオイルの油圧が高くなる
ので、圧力が規定値以上になるとバルブが開き、オイルをオイル・パンへ戻します。
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オイル・ストレーナを通り、オイルポンプで圧送されたエンジンオイルは「オイル・フィルタ」によって金属粉やカーボンなどをろ過します。
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一般的なエンジンは「全流ろ過圧送式」が採用されており、エンジンオイルをろ過した後潤滑部へ流れます。トラックなどの大型エンジンはエレメントを2個搭載しており、一方は潤滑部へ送りもう一方はオイルパンに戻す事でオイルの洗浄効果を高めています。
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しかし、オイル・フィルタにも洗浄限度があります。金属粉やカーボンの蓄積が多くなると、エンジンオイルを潤滑部に送る事が出来なくなります。それを防ぐ動きをするのが「バイパス・バルブ」です。バイパス・バルブはオイル・フィルタ内の油圧が一定値になると油路を開放します。この時エンジンオイルはエレメントを通過せずに潤滑部へ送られるので、エンジンには良くないです。
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このようにオイルポンプで加圧したエンジンオイルは「オイル・クーラ」や「ターボ・チャージャ」などの補器、「カムシャフト」や「クランク・シャフト」
などのしゅう動部に圧送されます。
エンジンオイルの役割は六個の作用に分かれます。
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一個目は「減摩作用」です、シリンダやピストンの摩擦部分はどんなに綺麗に仕上げても凹凸があり個体摩擦を起こし、焼き付きます。
接触する個体の間に潤滑剤を入れることで接触部の摩耗や焼き付きが防止され、機械の効率も高くなります。これは自動車のトランスミッションやデファレンシャルにも同じ事が言えますが、オイルの種類が異なります。
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二個目は「冷却作用」です、摩擦がある所は必ず発熱します、この熱をすみやかに他の場所へ持ち去らないと温度が上昇して故障します。
このように摩擦面に発生した熱、あるいはそこに伝わる他の部分からの熱を運搬する冷却作用を持っています。
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三個目は「密封作用」です、エンジンやコンプレッサのシリンダとピストンとの機密保持は、ピストンリングで行っています。この時、潤滑剤はピストンリングなどの隙間に入って、しゅう動摩擦を減少すると同時に気密を保持しています。
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四個目は「緩衝(カンショウ)作用」です、ボール・ベアリングの点接触やローラ・ベアリングやギヤなどの線接触で集中した力を受けるものでは、接触部に非常に大きな圧力がかかります。局部的に大きな圧力を長時間受けていると、摩耗や損傷の原因になるので潤滑剤は圧力を分散し局部的な応力を小さくすると同時に衝撃を吸収しています。
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五個目は「防錆作用」です、金属の表面を油膜で覆うことによって、空気と金属の接触を防ぎ、錆の発生を防止します。なので長期間動かさないエンジンは表面の油膜が無くなる原因になります。
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六個目は「洗浄作用」です、エンジンオイルのように循環する潤滑剤はゴミや金属の摩擦粉などを分散させて油路に堆積しないようにしています、しかし洗浄作用には限界があるので定期的なオイル交換が必要となります。
オイルは「トランスミッション」や「デファレンシャル」の中にも入っており、エンジンオイルと同様の作用をしますがオイルの種類が違います。専用のオイルを使っている場合もあれば、エンジンオイルで代用している場合もあります。
特にエンジンは燃焼室のカーボンや煤を洗浄する作用が重要なので、他のオイルと比べると交換サイクルが早く設定されています。
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ここからは実際にオイルエレメントを切断した物で解説します、エンジンの排気量が大きくなるとエレメントも大きくなります。重機や自動車に使われているオイルエレメントは基本的に一緒の構造をしています。
エレメントにはケースもまとめて交換する「カートリッジ式」と内部のろ紙だけ交換する「エレメント式」に分かれます。
カートリッジ式は作業時間が早くなりますが、エレメントの価格が高くなります。
エレメント式は作業時間が長くなりますが、エレメントの価格が安くなるので経済的です。
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一部の社外品エレメントはコストを抑える為「バイパスバルブ」が付いていない場合があります、汎用品としているので、大きい機械の燃料エレメントなどと互換性を持たせている可能性もあります。
ご視聴いただきありがとうございました👍
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#エンジンオイルの役割
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26 июн 2022