事故原因の探求はこれからです。 その上で、指摘されている要因は少し違う様に思います。 ① 「雲を避ける」の根拠が当日のビデオ映像ですが、当日の宮古島及び加味地島の15:00の実況では雲は観測されておらず、当然シーリング(雲底)も観測されていません。 (気象庁の4月6日気象データ)よって雲を除けるために徐々に高度を降ろすという行動は考えにくい仮説です。また指定も19km=10nmです。 ② 「昇降計(昇降度計?」の誤差の見誤りと言う仮説ですが、降下する際にパイロットは昇降度計よりも高度計に注意の重点が行くはずです。昇降度計は上昇/降下のレート を見ます。高度計はその時の高度を示しますから、高度計に注目します。また、気圧高度計と電波高度計には言及がなかったようですが、宮古島離陸の時に管制塔からの通報で 当地の気圧における高度設定は出来ています。また当日の15:00及び16:00の宮古島の気圧は「1012.2hPs→1011.8hPs」ですから離陸して15~20 分程度で誤差を生じる事は考えられません。また、電波高度計であればほぼ時間差のないデータですから計器誤差による海面への衝突は考えられません。 ① 速度が速かった。パイロットは有視界飛行でも飛行計器は絶えずスキャニングしており体感的に速度が速いと思えば速度を維持する操作をします。さらに、メイン・パイロット とコーパイロットが乗っているのでどちらかは必ず計器や視界を確認してフォローします。 よって、解説は少し違うと思います。
フライトレコーダーが回収出来たようなので、その解析後の報告が後日なされると思います。ただ今の時点で言えることは、師団長をはじめとする高官を乗せて飛ぶヘリのパイロットは飛行時間も長く優秀な搭乗員だったと思います。VFRだったと思いますから”Clear of cloud”で前方の雲を避けるとはいえ、海面近くまで高速で降下していくとは考えられませんね。パイロットが二人の外に8人の搭乗者がいたわけですから、誰かが危険を喚起したと思います。