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00:00 OP
00:54 メンタルに良い職場とは?
07:56 女性が活躍しやすい職場
11:44 どうしたら良いのか
本日は「精神科医目線でメンタルに良い職場とはどういうものですか、具体的にどんな対策をしていけばいいのですか」というテーマで動画を撮ります。
よくこういうことを取材で聞かれるんですよ。
時々僕も取材を受けたりしているんですけど、主にウェブメディアで受けることが多いんですけど、だいたいライターさんや記者さんからこういうことを質問されます。
今回は改めてこの問題を考え直して、今どんな風に僕は思ってるのかをお話しします。
■メンタルに良い職場とは?
まずメンタルに良い職場とはどういう職場なんだろうというときに、精神医学のことをよく知っていてそれを実践していると言えばそのまんまなんですが、それはちょっとわかりにくいので、もうちょっと具体的に考えてみます。
一つは、心身の体力管理がしっかりできる職場、というのがいいんです。
つまり、「残業はしちゃダメだ。だけど仕事をしっかりしなければいけない」となると、やはりついていけない人もいるわけです。
では、ついていけないときにどういう風に管理をしていくのか、そういうものがしっかりできている。
一人一人体力は全然違うので、身体は丈夫だけど頭脳労働が苦手な人もいるし、逆もいますから、ここら辺の体力管理を個人ごとにカスタマイズできるところというのがやはり良いですね。
色々な生活背景の人たちがいるんですよね。
共働きの人もいるし、子育て中の人もいるし、親の介護をしている人たちもいるので、こういう意味で、体力管理というと、タスクの量を調整するのもそうだし、時間の流動性、働く時間の流動性も高い方が望ましいです。
1日単位であったり、例えば今日はある人は9時から5時まで、ある人は10時から6時まで、そういう自分ごとにちょっと変えられると、働く場所、子どもの状況、親の介護の問題や病院に付き添うとかありますから、やれるといいな、と。
後は週5だと難しいという人もいるんですよ。
週5で固定するのではなくて、週ごとに長く働く人もいれば短くてもいいという調整ができるといいのかな、と。
あとは、産後出産とか色々ありますよね。
出産などあるので年単位で考えられるところ。
職場復帰しやすいところ。
産休や育休に入っても職場復帰しやすいというところがやはり心理的安全性が高いだろうという風に思います。
この延長線ですけど、多様性が認められている職場ということですよね。
人それぞれ違うので、この多様性への理解がある職場だとすごく良いのかなと思います。
例えば男女の違い、ライフステージ、世代の違い、男女の違いプラスLGBTQ、ライフステージごとの違い。
例えば今恋愛難民なのか、恋愛中なのか、恋人探し中なのか、それとも40~50代で独身のままだから孤立の問題を抱えているのか、結婚したてなのか、妊活中なのか、出産前後なのか、産後うつなのか、あとは生理前で体調が悪いのか。子育て中だったり、子どもの病気の問題、子どもの発達障害の問題、旦那や家族の発達障害の問題、思春期心性の問題、ぐれちゃったり、と色々ありますね。
このライフステージごとの理解、多様性がしっかり理解できたり、理解と共感ができている職場というのが、共感性のある職場というのが働きやすいのかなと思います。
あとは、業務が可視化されているということです。
透明性がある、しっかり可視化言語化されている、曖昧なものでなくて、その人任せの仕事ではなくて、きちんとその仕事が他の人でもできるような体制ができている、というのがやはり働きやすいですね。
そうじゃないと休みにくいので、可視化が透明化されていないと。
病院もそうですよ。
主治医制が行き過ぎていて、その先生じゃないとこの患者さんのことがわからない、カルテに全然何も書いてないから引き継ぎができない、みたいだとうまくいかないので、医師という属人性が高い業種ですけど、きちんとマニュアル化していかないと当直とかで休めないですから、当直があるとか学会で休むなどできないので、専門性が高くてもやってるわけだから、他の会社でもきちんとやっていかなければダメですね。
あとは、転職が多いというのもありますけど、やりがいですね。
透明化していると新規採用の人も働きやすいし、流入しやすい。
流出を防げるんですよね、やりがいがしっかりあった方が。
お金だけで縛ろうと思ったら大変なんですよ。
お金を出すことで社員を繋ぎとめるという要素もあるけれど、それだけだとやはり弱くて、同時並行的にやりがいをしっかり与える。
つまり僕らは何のために働いているのか。
そういうビジョンやミッションを明確化して、リーダーがきちんと言い続けるというのが今の時代は大事です。
欧米化しているんですよ。
だから日本的な働き方ではなくて、欧米化していくという流れは必ずあるので、そこに逆らわず、やはり合わせていった方が得ですから、どうせそうなってきますから、グローバル社会において。
ぜひそういう風な観点を持ってもらうのがいいんじゃないかなと思います。
多様性には精神疾患の理解、メンタルヘルスの理解もあります。
基本的には精神疾患に限らなくてもいいと僕は思っているので、どんな人にとっても働きやすい職場というのがメンタルヘルスにとって良い職場なので。
■女性が活躍しやすい職場
こういう特徴を挙げると、僕もしゃべりながら気付いたというか、整理しながら気付いたんですけど、ニアリーコール、女性が活躍しやすい職場なんですよ。
メンタルに良い職場というと、何となくわかりにくかったり、独りよがりになりやすいんですけど、女性が活躍しやすい職場、女性が出世しやすい職場というものを目指すと、このメンタルに良い職場というのがもっとイメージしやすいし、現実的なんじゃないかなと思います。
優秀な女性はたくさんいるので、そういう人たちをうまく利用するというか、うまく活かすことの方が会社にとっても良いと思います。
男性だけでやるというだけじゃなくてね。
こう考えると、こっち側からいきますと、こんな会社にしたくない人たちもいるんですよ。
男性の優位性が下がるんですよ。
そうすると今の幹部の人は大体男性なので、幹部男性にとっては耳が痛い話だったりするし、次期幹部候補生の人の方がより嫌なんですよ。
男性はより嫌なので、これが対抗勢力かな、と。
この働きやすい職場でもう一つ言うのは、やはりセクハラとかそういう問題がない職場というのはやはり働きやすいし、心理的安全性が高いですよね。
女の人は、やはり男性のプレッシャーを常に感じていたりしますね。
男性は怖いですから、体も大きいし、メンタルに関心がなかったり共感性が低かったり。
女の人が男性を嫌う理由ってもういっぱいあるんですよ。
汚い、不潔、Hなこと考えてるとかあるので、そういう色が薄い、不倫がない、そういうところがやはり働きやすいですね。
でも、これがまた男性社会の悪いことで、不倫を許容する悪しきカルチャーは絶対ありますね。
それは「益田だけだよ。益田が偏見あるって言うなよ」と言いそうですけど、精神科医のくせにとか、精神科医だからこそ、と言うかもしれないけど、やはりあります、古いカルチャーというか。
成功して愛人を作りたいみたいな男性の古くさい価値観ってあるじゃないですか。
ここの優位性が奪われるということなので、こういう人たちはより嫌がるのかなという、意識して嫌がっているのか、それとも潜在意識的に嫌なのかはわからないですけど、ありそうだな、と。
でですね、また不倫の問題とも似てるんですけど、こちら側の女性もいるんですよね。
うまくいっている女性、新しい生き方をしている女性に対する嫉妬の問題というのもあります、あと、男性からの。
これとも闘っていかなければいけないというのがあるなと思います。
■どうしたら良いのか
こういうことを防いでいくためには、どうしたらいいのかということになっていくんですけど、これを実現するためにも、多様性を理解してもらうためにも、どうすればいいのかというと、きちんと教育をしていくということだったりもします。
どんなライフステージがあるのか、がとても重要ですね。
色々な困りごとがあるんですよ。
この年代の人はこういう困り事があるな、この年代の人は介護の問題があって介護というのはこういう困り事があるんだよ、と。
男性のうつで、介護がきっかけで、仕事の上司から、何でできないんだ、と怒られて、詰められてうつになってしまって、とか、そういう人もたくさん診てきてますから。
でも、これはたぶん上司側がわかってないのよね。
そんなの奥さんに任せたらいいじゃないかと言う人もいるし、シングルマザーなのは自業自得だという人たちさえいますから、それは共感が薄いというか、相手の痛みや苦しみがわかってないということなので、心理的安全性が高い職場とは言えませんから、そうならないためにやはり教育をして、しっかりコミュニケーションを取るということがとても重要です。
ただそうなってくると、今度はコストの問題があるんですよね、教育コストの問題、コミュニケーションコストの問題。
11 июл 2024