ガジェットラボのアーカイブ THX1138 のご紹介
ジョージ・ルーカスが大学時代に制作した「THX1138 4EB」をフランシス・コッポラが出資して1971年「THX1138」が劇場公開されましたが、これは興行的に失敗に終わりました。その後ジョージ・ルーカスが監督した1977年スターウォーズ「エピソード4/新たなる希望」は世界的なヒットの流れを創りました。そして彼の起点であった「THX1138」は、ようやく2004年に一部がリメイクされディレクターズカット版として公開されました。
物語の背景である25世紀は、地上が荒廃し人類はシステムの管理下で巨大な地下都市に生存していました。コード名が付与された人々は、常にシステムに監視されており、人間的な情動は薬物で抑制され、男女の生殖行為も禁止されていました。主人公のTHX(サックス)1138は、異性のルームメイトLUH3417と薬を服用しない違法な日常をおくる中で、精神が不安定になり作業中に重大なミスを犯します。更に二人の生殖行為が通報されてTHX1138は収監され、懲罰を受け検査結果から社会不適合者として収容ゾーンに送られました。しかし、あるきっかけで彼はホログラム人間SRTと出逢い収容ゾーンから脱出しロボット警官から追われることになります。彼は奪ったポリスカーでバイク警官の追跡から逃れますが荒廃した地上に通ずる竪穴までロボット警官は執拗に迫ってきました。しかし突然その追跡は中止されます。それは、追跡に要したコストが逃亡者捕捉メリットをオーバーしたという経済合理性に基づくシステム判断でした。地平に沈んでゆく太陽に照らされたTHX1138の姿はか細く、我々自身がやがて直面する未来の光景を連想させるエンディングでした。
12 сен 2024